2025/05/05 13:22


こんにちは!ニオイ博士の伊藤です。

日差しが強くなり、気温も上がってくると……ふと「ん?何のニオイ?」と感じることはありませんか?
もしかしてこれ、体臭?と不安になる瞬間、ありますよね。

カレーみたいなニオイ、ムワっとするこもったニオイ、酸っぱいニオイ、加齢臭……。
体臭って一言ではくくれないくらい、さまざまな種類があるんです。

汗が出始めると特に感じやすいので「汗が原因かな?」と思われがちですが、実は汗そのものには、ほとんどニオイはないんですよ。
今日はその秘密を、ニオイ博士がわかりやすくご紹介していきます!


体臭は「菌」との共同作業だった!


実は、私たちの体の表面には常に**「常在菌(じょうざいきん)」**というたくさんの菌たちが住んでいます。
この常在菌は普段、肌のバランスを保ったり、外部の悪い菌の侵入を防いだりしてくれている、いわば"肌のパートナー"です。

ところが、汗や皮脂などの成分を、これらの常在菌が分解するときに出てくる代謝物が、ニオイの原因物質になるのです。

では、具体的にどんな体臭が、どんな菌と関わっているのか?
ここから、もう少し詳しくお話していきましょう。


体臭の種類は大きく7つ!


体臭は、その発生するニオイ物質の種類によって、次の7つに分類されています。

・脂肪酸系
・ステロイド系
・硫黄系
・ケトン系
・エステル系
・アルデヒド系
・アルコール系

さらにアンモニアなども体臭の一種として知られています。
これだけあると、体臭って本当に奥が深いですよね。

では、この中でも皆さんがよく気になる代表的な体臭を、常在菌との関係で見ていきます。


ワキガに特徴的なニオイ


ワキガといえば「お肉や玉ねぎのようなニオイ」と表現されることが多いですよね。
この特徴的なニオイは、硫黄系に属する2-メチル-3-メルカプトブタン-1-オールという物質が主な原因です。

この物質は、私たちのアポクリン腺から出る分泌物が、皮膚の常在菌(コリネバクテリウムやブドウ球菌など)によって分解されることで作られます。

実はワキガは遺伝的な要素も関係していますが、こうした菌の働きがニオイを強くする要因なんですね。


汗をかいたときの酸っぱいニオイ


夏場や運動の後に気になる、酸っぱいニオイ
これは脂肪酸系に属する酢酸、プロピオン酸、イソ吉草酸などが原因です。

汗に含まれる乳酸やアミノ酸を、主にブドウ球菌が分解して作り出しています。
その他にもアクネ菌やコリネバクテリウム、枯草菌なども関わっています。

ちなみに、この酸っぱいニオイは衣類にも移りやすいので、洗濯時のニオイ悩みにもつながってしまうんですね。


加齢臭の正体


40代を過ぎた頃から、首元や後頭部、うなじあたりで気になる加齢臭
これはケトン系に属するジアセチルという物質が主な原因とされています。

汗に含まれる乳酸が、ブドウ球菌によってジアセチルに変化し、あの独特なニオイになります。
同じブドウ球菌でも、実は若い頃と年齢を重ねた後では種類が少し異なってきます。まるで親戚みたいな関係ですね。

年齢とともに常在菌のバランスが変わることが、加齢臭が目立ちやすくなる理由でもあるんです。
体は若いままがいいですが、常在菌は正直ですね(苦笑)


体のニオイと衣類のニオイはちょっと違う


さて、ここまで体臭の話をしてきましたが、「じゃあ、衣類のニオイも同じなの?」と疑問に思った方もいらっしゃると思います。

実は、体の菌すべてが衣類に定着できるわけではありません
衣類に残る菌は一部に限られていて、例えば皮脂汚れをエサにする菌や、湿った環境が好きな菌が主に衣類に棲みつきます。

これが衣類の生乾き臭や、洗っても取れないニオイの原因になっていくのです。

衣類に発生するニオイは、皮膚の体臭と似ている部分もありますが、また少しメカニズムが違うんですね。
このあたりのお話は、次回にもう少し深掘りしていきます!


今日のまとめ


✅ 体臭にはいろいろな種類がある
✅ 主な体臭は7種類のニオイ物質に分類できる
✅ 汗自体は無臭。常在菌が汗や皮脂を分解してニオイが生まれる
✅ 年齢とともに常在菌のバランスも変わってくる
✅ 衣類のニオイは体臭とは少し違う仕組みで発生する

「どうしてもニオイが気になって、服もすっきりしない……」
そんなときは、ニオイの発生源である菌や汚れをしっかり落とすことが大切です。

私もお手伝いできるよう、日々研究を続けています。
次回は**『衣類に残るニオイの正体』**について、もう少し詳しくお話ししますね!


【参考文献】
1. Florence Van Herreweghen, Caroline Amberg, Rita Marques, Chris Callewaert. (2020). Biological and Chemical Processes that Lead to Textile Malodour Development. Microorganisms, vol.8, no.11, 1709.
2. A Gordon James, Corrine J Austin, Diana S Cox, David Taylor, Ralph Calvert. (2013). Microbiological and biochemical origins of human axillary odour. FEMS Microbiol Ecol., vol.83, no.3, pp.527-540.


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