こんにちは！ニオイ博士こと、伊藤です。

さてさて、前回の「タバコのニオイ」のお話をさせていただきました。

今回のテーマは…そう、「焼き肉のニオイ」です。これまた気になる方、多いのではないでしょうか？

楽しくて美味しい焼き肉。でも、そのあと「うっ…この服、ニオう…」ってなった経験、ありますよね？特に、焼き肉を食べて家に帰ってきて「ふぅ～美味しかったね～…あれ？」と、ふと感じる、服に残るニオイ。美味しくて満足したはずなのに…。

今日は、そんな焼き肉のニオイがなぜ衣類に残るのか、そしてスッキリ落とすための科学的アプローチを、わかりやすくご紹介しますね。

ジュージューと音を立てて焼けるお肉…思い浮かべるだけでお腹が鳴ってしまいます（笑）。そのとき、鉄板の上から立ちのぼる、白っぽい“モヤ”…見えたことありませんか？

実はあのモヤこそが、焼き肉のニオイのもと。「脂の蒸気」なんです。

「え？脂って蒸発するの？」と思われた方も多いかもしれません。実は、油も高温になると揮発（＝蒸発）します。焼き肉の鉄板は200℃以上にもなり、脂は分解されながら蒸気となって空気中に舞い上がり、その中にニオイ成分が含まれているのです。

焼き肉のニオイを引き起こしているのは、大きく分けて以下の2つの成分です。

〇 アルデヒド系化合物

…これはお肉の脂が加熱分解されてできるもの。油臭さや焦げたようなニオイの原因になります。

〇 硫黄系化合物

…これはニンニクなど、香味野菜に含まれる成分が加熱によって変化したもの。ちょっとツンとする、あの独特のニオイです。

この2つが合わさって、衣類にまとわりつく「焼き肉帰りのニオイ」が完成してしまうのですね…。

では、このニオイ、どうすればスッキリ落とせるのでしょうか？

答えはとてもシンプル。「洗濯洗剤でしっかり洗うこと」です。

「え、それだけ？」と思うかもしれません。でも、ここに科学的なポイントがあります。焼き肉のミストには脂（油分）が含まれているので、水だけでは落ちづらいです。界面活性剤の入った洗剤を使うことで、油汚れもしっかり浮かせて洗い流すことができるんです。

また、洗濯機に入れる前に、少しだけお湯（40℃程度）で予洗いするのも効果的。油分は温度が高いと落ちやすくなります。

冬は特に、ダウンやウールのコートなど、洗濯が難しい衣類を着て焼き肉に行く機会も多いですよね。そんなときはどうすれば良いのでしょうか？

以下の方法を試してみてください：

1. ベランダで一晩干す

風通しの良い場所で、夜から朝にかけて干すだけでも、かなりニオイが薄れます。ニオイ成分は揮発するからニオイがするので、空気に触れさせてどんどん逃してあげるのがポイント。

2. 霧吹きで軽く湿らしてから干すと時短にも

霧吹きで軽く水を吹きかけてから、風通しの良いところで干すと、ニオイ成分が水分と一緒に飛びやすくなって時短にも。いわゆる＂共沸＂という原理を利用しています。

3. 消臭スプレーを活用

市販の消臭スプレーも、うまく使えば有効。ただし、香料でニオイを“マスキング（隠す）”するだけのものもあるので、「無香料」と表示のある製品を選ぶと良いですね。

湿気が多い浴室で干すのも有効だと思いますが、私はあまりオススメしません。

なぜなら浴室は湿気が高く、空気が滞留しがちなので、なかなかニオイは飛んでいきません。雨が降っていたり、外に干すのがイヤというのでなければ、やっぱり風がしっかり通る場所で干すのが一番です！

食後の幸せな余韻をニオイで台無しにしないために、ちょっとした工夫で「焼き肉帰り」から「サラッとすっきりな私」へ変身しましょう！

ではでは、次回は「魚のニオイ」についてお話しする予定です♪お楽しみに！

✅ ニオイ成分は「アルデヒド系」と「硫黄系」。

✅ 洗濯時は洗剤をしっかり使って、油分ごと落とすのがカギ。

✅ 洗えない衣類は、風通しの良い場所で一晩干すだけでも◎

✅ 湿気のこもる浴室干しはなるべく避けて！