2025/06/02 14:08


こんにちは!
ニオイ博士こと、伊藤です。

洗濯物のニオイやお手入れについて、日々奮闘している皆さん。
今日は、そんな「洗たく」と深い関わりのあるマイクロプラスチック問題について、わかりやすくお話ししていきます。


目に見えない「マイクロプラスチック」って?


ウミガメがビニール袋をクラゲと勘違いして食べてしまったり、海に廃棄された網が生物を絡めてしまったり。
最近、ニュースなどでよく聞くようになったマイクロプラスチックという言葉。
これは、簡単に言うととても小さなプラスチックの粒子で、5mm以下のサイズのものを指すことが多いです。

「そんな小さなもの、どこにあるの?」と思うかもしれませんが、
実は、わたしたちの洗たくの中にも潜んでいるのです。


洗たくでも出る!?マイクロプラスチック


洗たくのたびに衣類同士が擦れあうことで、細かい繊維くずが発生します。
それがそのまま洗濯機の排水と一緒に流れていく。
これが、マイクロプラスチックの正体のひとつです。

衣類の生地が、洗っているうちにだんだん薄くなってきた…そんな経験はありませんか?
これはつまり、繊維が少しずつ流出しているという証拠でもあるのです。


化学繊維だけじゃない。コットンも?


ここで「じゃあ、ポリエステルやアクリルみたいな石油系の素材を避ければいいんでしょ?」と思った方。
実は、**天然素材のコットン(木綿)**でも、注意が必要であることが報告されています。

というのも、素材そのものは自然でも、
染色や加工の段階でさまざまな化学物質が使われていることが多く、
それが環境に影響を与えてしまう可能性があるんですね。

つまり、「天然素材だから安心」というわけではないんです。複雑ですよね…(苦笑。


体内にも!?マイクロプラスチックの影響

さらに気になるのが、人体への影響

最近、イタリアの研究チームが行った調査では、
血管にマイクロプラスチックが検出された患者さんが、
そうでない人に比べて動脈硬化による死亡リスクが約4.5倍高まる可能性があると報告されました。

もちろん、まだ研究途中の段階ではありますが、
“もしかしたら”がある限り、私たちもできることから行動していくことが大切だと感じています。


洗たくネットより効果的?おすすめは「手洗い」


では、日々の生活でできる対策って、何があるのでしょうか?

ひとつの方法が、「手洗い」です。

全部の洗たく物を手洗いにするのは正直しんどいですよね(笑)
でも、たとえばお気に入りのブラウスや、ちょっといいシャツだけでも手洗いにしてみる。
それだけでも、マイクロプラスチックの排出はかなり抑えられます。


さらにうれしいのが、生地が長持ちすること
洗濯機の中でグルグルまわる摩擦がないので、
生地が薄くなったり、ボタンが割れたりするリスクもグッと減るんです。

ちなみに私、ニオイ博士も、オシャレ用のポロシャツやシャツはすべて手洗いに切り替えました。
最初はちょっと面倒かなと思いましたが、慣れるとむしろ**「服を丁寧に扱っている感」**が心地よくて、
今ではちょっとしたリフレッシュタイムになっています(笑)


家事で忙しい毎日だからこそ「ムリせず、できることから」


私たちの生活は、洗たく・掃除・食事の支度…と、本当にやることがたくさん。
だからこそ、「環境のためにがんばろう!」なんて、気負う必要はありません。

大切なのは、できることをちょっとだけ意識すること
お気に入りの服を長く使えることも、
ちょっと地球にやさしいことをしているという気持ちも、
どちらも自分の気分を良くしてくれるものだと思います。


今日のまとめ


✅ 洗たくでもマイクロプラスチックは発生する
✅ ポリエステルだけでなくコットンも注意
✅ 対策には「洗たくネット」や「手洗い」も有効
✅ 手洗いでお気に入りの服を長持ちさせよう
✅ 「無理せず、できることから」がいちばん大事

この記事が、毎日の洗たくやお気に入りの服との付き合い方をちょっと見直すきっかけになればうれしいです。

それでは、また次回!
あなたの暮らしに、科学とちょっとの笑顔を。
ニオイ博士・伊藤でした。


【参考文献】
1. Imogen E Napper, Richard C Thompson. (2016). Release of synthetic microplastic plastic fibres from domestic washing machines: Effects of fabric type and washing conditions. Mar Pollut Bull, vol. 112, issues 1-2, pp. 39-45.
2. Hartline, N.L., Bruce, N.J., Karba S.N., Ruff, E.O., Sonar, S.U., and Holden, P.A. (2016) Microfiber Masses Recovered from Conventional Machine Washing of New or Aged Garments, Environmental Science & Technology, Vol.50, No.21, pp.11532-11538.
3. Hernandez, E., Nowack, B., & Mitrano, D. M. (2017). Polyester Textiles as a Source of Microplastics from Households: A Mechanistic Study to Understand Microfiber Release During Washing. Environmental Science & Technology, vol.51, no.12, pp.7036–7046.
4. Bethanie M Carney Almroth, Linn Åström, Sofia Roslund, Hanna Petersson, Mats Johansson, Nils-Krister Persson. (2018). Quantifying shedding of synthetic fibers from textiles; a source of microplastics released into the environment. Environ Sci Pollut Res, vol.25, no.2, pp.1191-1199.
5. Salvador Cesa, F., Turra, A., & Baruque-Ramos, J. (2017). Synthetic fibers as microplastics in the marine environment: A review from textile perspective with a focus on domestic washings. Science of The Total Environment, vol.598, pp.1116–1129.
6. Marina C Tedesco, Ruth M Fisher, Richard M Stuetz. (2024). Emission of fibres from textiles: A critical and systematic review of mechanisms of release during machine washing. Sci Total Environ, vol.955, 177090.


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